メガネ殿とお嫁さま


彼女は、
詩子(うたこ)。

シュウくんが用意した
僕のフェイク彼女だ。

驚いて、
スコットランドにいるシュウくんに
電話んしたら。
「道で拾った。」
とだけ言われた。

行くところもない、
金もない、
彼女は、あっという間に
ここにいついてしまった。


そして、
夜、僕が来るのを
ご飯を作って待ってるのだ。

本当の愛人みたいでほんとやだ。


だけど、
僕らの間にそんな感情はもちろんない。

彼女は、見た目と仕草は
ロリロリしているが、
割とさばさばした20歳のお姉さんだ。

「次の部屋見つかりそ?」

僕は食べながら聞いた。
今日は家では食べてない。
というか、最近、桜子さんのご飯を
何故か身体が受け入れない。


「うん。契約終わったら
出てくよ。」

彼女も食べながら言った。


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