メガネ殿とお嫁さま
最終章
明治時代、
婚姻法が制定されるまで、
離婚率は、今よりも高かったそうだ。
もちろん、
離婚の原因は様々だが、
男性側だけでなく、
女性側から申し出があることも
珍しくはなかった。
形では、
男が女を従え、
男が選び、男が主となっていたが、
その実、
それは建前で、
女は、その形をうまく操っていたのだろう。
それが法律となると、
曖昧で便利だった範囲は
一気に遮断され、
僕たちは、
形だけを知ることになったのだ。
何故、
女は18歳ではなく16歳での婚姻を
許されているのか。
その意味を僕たちは、
理解しているのだろうか。
僕たちがその意味を説明できないことが、
形しか受け継がなかった証拠だと
僕は考えている。