メガネ殿とお嫁さま
ちょうど麓まで帰ると、
要くんの泣き叫ぶ声で、
みんなが集まってきた。
僕は、ヒューヒューと
肺を鳴らした。
「なんてこと!
要!一体何をしたの!」
要くんの多分お母様が
怒っている。
「…。
要くんは悪くないよ。
僕が誘ったんだ。」
僕は、そのまま離れに
連れていかれた。
その事件以来、
要くんはしょっちゅう家に来るようになった。
しかも、僕を女の子だと思いこんで、
ずっと、
「理太ちゃん」と読んでいた。
リタ…。
まぁ、外国なら、いるだろうね。
6歳の時に、
急に僕が男の子の格好をしたので、
要くんは、気絶した。
でも、うわ言で、
「理太ちゃんは、
理太ちゃんだもん。」
とずっと言っていた。