メガネ殿とお嫁さま


部屋へと案内される。
奥座敷だ。

僕は、挨拶をして、
部屋へと進み、

誰とも目を合わさず
一番に頭を下げた。


「申し訳ございません。
僕には心に決めた人がいます!

この話なかったことに
してください!」





部屋じゅうに
静けさが浸透する。




ただ、第一声は、
それを射抜くように、
スパンっと放たれた。


「二度も三度も、
お断りにならないでください。」





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