メガネ殿とお嫁さま
「あとは、お若い方にお任せして…」
はいはい。
もういいから。
僕は、
魂が抜けたまま、
桜子さんに引っ張られて、
庭を歩いた。
「大丈夫ですか?理太さま。」
桜子さんは、心配そうに
僕の顔を除きこんだ。
僕は、思わず、
うりゅっと涙がこみ上げ、
彼女を目いっぱい抱きしめた。
「…
ここは、きみん家じゃないかあああああ!!」
と大声をあげて、
おんおん泣いた。
「そうですよー。
もう泣かないでください。」
いつもと逆に、
桜子さんが僕を慰めた。