メガネ殿とお嫁さま

僕は、
まるで、
自分が触られていた
被害者のように
狼狽えた。


「こ!これこそ理不尽だろ!
なんで我慢してるの!」

僕は、起き上がり、
はだけた浴衣を
必死で直し、
下半身を枕で抑えた。

「理太さまが喜んでくださるなら。」

彼女も起き上がり、
乱れた襦袢を正した。


そして、
高揚したうっとりした赤い頬を
手で冷ますような
仕草をした。

き、昨日はすぐ寝たくせにいい!

…ん?

そうだ。昨日ホテルで寝てしまって…。

カーテンから漏れる光を
改めて確認する。

「すみません。
私、ベッドで眠るのが初めてで。
寝過ごしてしまいました。」


桜子さんが照れたようにそう言った。


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