メガネ殿とお嫁さま
「…!」

僕は、慌てて、
リビングのテーブルにあった
眼鏡入れから眼鏡を出した。


「何よ。やっぱり超絶いい男に
育ってんじゃない。」

翠さんが、
にじりにじりと
詰めよってくる。

気配に気づいた時には、
ソファに座らされ、

翠さんは、
その、なんというか、
僕の膝の上に座った。


「…せっかくだから、
しよっか?」

固まり、動揺しまくる僕をよそに、
翠さんは、毛皮を脱いだ。


こ、怖い。


「やっ、やめ、やめて…」

僕はぷるぷる震えて、
制しようとしたが、
翠さんは、それを軽く、流し、
指先を浴衣の中に滑り込ませ、
あっという間に、
僕の上半身を外気に晒した。


「わぁお。
身体もいいじゃん。
昨日は1人で寝たの?
それともこんなことしてくれる子が
いたの?」

翠さんが、
僕の鎖骨に唇を近づけた。


その時だった。

「す、すみません〜!!!」

ガチャ…

やばすぎるタイミングだ。

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