不順な恋の始め方
「………だったんですね」
「え?」
「先輩……好きなんですよね? 坂口先輩の事が。その、冗談的なのじゃなくて、本気で」
「えっ……と……菅ちゃん?」
「先輩!!」
「はっ…はい!」
「さとゆりなんかに負けないで!! 私は先輩を応援してますからっ!!」
ものすごく悲しそうな顔をしてくれているかと思えば、突然大声を出し両手でガッツポーズを作る菅ちゃん
私も何故かつられて大きな声を出し、それから菅ちゃんの言葉に頷きかけてしまった。
「す、菅ちゃん……あのね、ちょっともう少し冷静になって話そう?ね?」
「私は至って冷静ですけど……うーん……分かりました。とりあえず黙ります!」
いまいち菅ちゃんとは意思疎通し合えないけれど……まあ、いいか。
私は、言ったとおりに黙っている菅ちゃんの瞳を見つめてひとつの決心をする。
……そして、ゴクリと息を飲んだ。