不順な恋の始め方
譲と抱き締めあって、見つめあって、たくさん笑い合って。
そんな幸せな時間を過ごしていると、譲が私を見て
「あの罰ゲームの最後の1コも、今日使うてええ?」
なんて、言い出した。
私は、さっきまでの流れから物凄く嫌な予感を感じた。
この予感は、アタリか。ハズレか。
「……分かり、ました」
どうなるかは分からないけれど、最後の1コだ。
これを乗り越えたら、あとは私の命令1つが残るだけ。
最悪、私の命令1つを使って譲の命令を無効化してやることだってできるんだから。
最悪の事態のことも考えた上で、色々な対処法を備える。
そして、心の準備をしっかりと終えることのできた私はごくりと息を飲む。
すると
目の前の譲がゆっくりと口を開いた。