不順な恋の始め方
…………なんてことがあったのが、約2ヶ月前。
その後はずっと頭抱え込んで『あぁ、やってもうた』とか『ほんま信じられへん自分』とか言うてたっけ。
「それで結局どうなったわけ?」
「それがな、結婚する事になってん」
「へー…………って、え!ええ!? け、けけ、結婚!?!」
ガタン!と大きな音を立てて目の前の友人が立ち上がる。
そりゃあびっくりもするわ、なんて思いつつも俺は敢えて「落ち着きいな」と冷静に友人を宥めた
騒がしい店中をキョロキョロと見渡すと、また椅子に腰掛けた彼は眉間にぎゅっとシワを寄せて俺を凝視する
「いや、待てよ。何?どうしたらそうなるわけ?頭おかしいの?お前」
「俺は至って普通や、今はお前がどうかしとるわ」
「だって、結婚って……大体、知らんふりできたよな? それを自ら……」
唯一、俺の過ちと俺の今の状況を知っている彼は心底理解できていなさそうな難しい表情をした。