不順な恋の始め方
同棲生活の過ごし方
◇ ◇ ◇
「あー!森下せんぱーい!」
「あ。菅ちゃん、おはよう」
翌日
いつものようにオフィスへ入ると、私を見つけるなり手をぶんぶんと振りだした菅ちゃん
そんな菅ちゃんの元へと歩いて行くと「大丈夫でした!?」と、彼女はかなり心配そうな様子
「うん、心配かけちゃってごめんね。もう全然大丈夫だよ」
「良かったー、急に倒れちゃうから心配したんですよー?」
「ありがとう。ごめんね、ほんと」
ああ、そうだ。
私、菅ちゃんの目の前で倒れちゃったんだったっけ。なんて、殆ど覚えていない曖昧な記憶を探っていると
「あ、先輩先輩」
「ん?何?」
突然右手で手招きするようにして、私を呼んだ菅ちゃん
私はなんだろうと思いながらも菅ちゃんへと身を寄せる。そして、菅ちゃんの口元へ耳を近づけた
「坂口先輩と、あの後どうなったんですか?」
小さく、静かに。でも、うきうきしたような高い声。その声からは、ニヤニヤとしている菅ちゃんの表情が簡単に想像できる。