不順な恋の始め方
「普通は女の子が言うもんなん?」
「え?」
「いや、俺は女の子やから料理できなあかんとかそういうなん思うてないし、料理は俺がしたいからするだけやねんで?これは、ほんまに。
大体、俺らもともと普通のカップルやないねんから、異色カップルっちゅうことで料理はしばらく俺担当な?」
「でも…」
森下さんは申し訳無さそうに眉を八の字にすると少しだけ俯く。
多分、料理を担当させて申し訳ないっていうのとしたくてもできない悔しい気持ちが混じってるんやろなあ……と何となく推測した俺は少しだけ頭を回転させる
「………あ! ほな、こうしよ。
しばらくは俺が料理担当をする。けど、時間合った時は一緒に練習して、時期料理担当は森下さんで、っちゅうのは…どう?」
我ながら良いアイデアに森下さんが目をキラキラと輝かせた。
そして、大きく一度だけ頷き「早く料理担当になれるよう、頑張ります!」と両手に拳を作った。