不順な恋の始め方

「はは、期待してるで?」

「はい!期待しててください! あ、でも、朝ご飯だけとかなら作れます!きっと!」


キラキラした瞳の森下さんが、キラキラとした表情で俺を見る。

しかし、これは俺の勝手な想像か、勝手な判断か。よくは分からんけど、俺には森下さんが料理を全然出来へんように見える。

それは、あの森下さん宅の冷蔵庫を見てしまったからか、それともこの無邪気な表情がそう思わせるのか。


うーん、まあ、どちらにしろしばらくは料理担当は完全に俺だということにした方が良さそう。


「森下さんの手作り朝ご飯な、めーっちゃ食べたいねんけどな……けど、それは1回森下さんの料理のお手並みを拝見してからでもええか?」

「うう……それって、坂口先輩、私が料理全然出来ないとか思ってるって事ですか?」


俺よりも頭1個分は背の低い森下さん

恐らく……いや、確実に無自覚だろうが、俺を見る森下さんの上目遣いに俺は色々な意味で堪えていた。

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