不順な恋の始め方
我ながら良いアイデアを思いついた私は、ゆっくりと、大きく口を開く。
「それ、楽しんでますよね!?意地悪ですよ!!完全に!!」
「え? い、いや、別に楽しんでへん……事もないけど……え? まさか、これ罰ゲーム?」
「はい、1回目〜!」
譲が言ったように、私もケケケと笑って人差し指を上げてみせる。
すると、譲は残念そうに「嘘お」と呟いて床に寝転がった。
「なんやこれ。こんなん絶対俺不利やん。あー、どないしよう」
ゴロゴロ、ゴロゴロと転がってうだうだとひとり呟く譲は一体どうしたというのか。
「それなら、やっぱり罰ゲームはやめましょうよ」
ここから上手く話を持って行って、この話を無かったことにしよう。うん。
そんな私の企みを知るはずもない譲は「うーん」と悩み続けた末、コクリと一度頷いた。
「……せやな、やめよか。うん」
「やっ、」
「ただし!」
「え?」
『やったー!』と両手を挙げようとした私の声を遮り、譲が私を見る