不順な恋の始め方

「ただし、さっきの3回分の罰ゲームはちゃーんと受けてもらうで? ええな?」

「ええっ!?」

「そんかわり、俺も受けるから。1回の罰ゲーム」

「う…………わ、分かりました」


どう考えたって私の方が罰ゲーム3回で不利というか何というか……

それなのに1回だけでも譲に絶対的な命令が出来るのかという事に少し好奇心を覚え、渋々頷いてしまった

すると、譲は満足げに笑って頷き、立ち上がる。


「ほな、仕事の準備でもしよか」

「……あ、はい」


あぁ、そうだった。すっかり寛いでしまっていて忘れていたけれど、今日は普通に出勤日だった。

少しだけ寂しいな、と思う辺り私はそれなりに譲との恋愛を始められているのかもしれない。


でも、一体譲はどうなんだろう?


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