不順な恋の始め方

坂口 譲 side





* * *




「───なんだけど、どう?」

「いやいや、ええよ。俺は今回もパスで」

「はあ!? 待て待て。坂口。お前、キャビンアテンダントだぞ? キャビンアテンダント!」

「うん。聞いた。何べんも聞いたで」

「はぁ……お前って奴は……本当付き合い悪いっていうか、男じゃないっていうか……」

「はは、それよう言われるわ。ごめんなあ、付き合い悪くて」


何度となく〝キャビンアテンダント〟という言葉を強調し、所謂合コンとやらに誘ってくる同僚 間宮徹(マミヤトオル)

そんな間宮に俺は〝付き合い悪くて〟を強調して返す。


すると、何故かケラケラと笑い出した間宮は「本当面白いな、お前」と俺の肩を何度か叩いた


「なんやねん、酔っ払いか」


ほんの少しもこちらの事を考えているとは思えない力加減と若干寄りかかってきている彼の体制から、俺はある有名な芸人さんのように例えツッコミをしてみる。

……って。いや、そんな立派なツッコミやないか。

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