彼女の願いを【短編】
その先はやはり、よく覚えてはいない。
おそらくは彼女の妹が何とかしたのだろう。
気がつくと、俺はまた病院のベッドの上にいた。戻るつもり等更々なかったが、ここから逃げる気力すら、もう残ってはいない。為るようになればいい。俺の全てだったものは、もうこの世界には存在しないのだから、後は朽ちて果てるのを待つだけだ。
唯一残された彼女の脱け殻と供に想い出を擦り減らしながら……
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