彼女の願いを【短編】
 
彼女は物静かな人間だったが、俺の前では喜怒哀楽もはっきり見せた。

俺も余り口数の多い方ではなかったが彼女の俺に対する理解は深かった。

腹が減れば、口に出さずとも飯を用意してくれたし、ぬくもりが欲しければ二人寄り添って眠りに着いた。彼女は俺の全てだった。




いつまでもこの狭い箱の中で、彼女と過ごして居たかったが、世間はそれを許してはくれない。





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