罪づけ
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「ん〜〜っ」
手を組んで、腕を伸ばして大きく背をそらす。ぱきっといい音がした。
首を回せばこきこきとなり、肩こりを実感する。
今日の分の仕事が一区切りついたところでふぅ、と息を吐いて力を抜いた。
時計を確認してみれば、時間は定時を少し過ぎた頃。
今日中にやらなくてはいけなかった伝票の整理なんかの仕事は全て終わらせた。
「沼田さん、上がりですかぁ?」
「ええ」
「いいなぁ、うち今日はまだ終わりそうにないんですよぅ」
「なら私と話してないで頑張りなさい」
「はーい……」
今年入社したばかりの後輩はおしゃべりで、こうしたちょっとした合間に声をかけてくる。
言い方がきつくなる私にも平気そうなのは安心するけど、まだ少し社会人としての自覚が足りない面も。
まぁ、今後に期待といったところね。
明日は決算書の資料を作らないといけない、と軽く明日の仕事を確認して忘れないようにメモを残す。
箇条書きでいくつか書いたところで、パソコンをシャットダウンした。
「じゃあお先です」
デスクに残っていた人たちに頭を下げて一足先に出て行く。
経理のいいところは大抵は定時で帰れるところよね。その分、月末や決算期なんかは残業続きでとても大変なんだけれど。
それでもやはり、周りの部署と比べたら楽な方だと思う。