罪づけ
「仕事の方は最近どうなの?」
「んーなんか今度、地域交流イベントするらしくて。企画考えなきゃなんない」
企画……そうか。
総務ってそういうこともするのよね。
備品や会社の建物の管理。個人情報も総務が預かってるし、社内のイベントだって企画してくれている。
淡々とした繰り返しの作業の私たちと違って、総務は多種多様なことをしているから大変そう。
「大変ね」
「まぁ、地域の方々は大事にしなきゃなんないしなー。適当に考えてみるよ」
んまい、と笑いながらそう言う透吾。
いつだって優しい彼らしい。大変なことだって文句もいわず、笑って人に心配をかけないように。
それで、隠れて努力して、きっといい企画を用意するんだ。
私の知っている透吾はそう。
私の好きな、透吾は。
「いつもお疲れさまです。ありがとう」
体を透吾の方へ向け、ぺこりと頭を下げた。
慌てたように彼も体を私の方へ。ソファの上なのに正座をして「いえいえ」と。
思わず顔を見合わせて笑う。……笑った。
小さなことが楽しくて、たくさんのことに感謝して。
私、きっと前よりずっといい〝人〟なの。彼のおかげで変わったの。
あなたが、私を変えてくれた。
なのに、ねぇ、透吾。おかしいわね。
これは認められない関係なんて、哀しいわね。