罪づけ




目元を隠すように、片手で顔を覆った。色のない視界の中で切なさに色づいた息を吐き出す。



ベッドに触れた手と同じように、汚れた思案に沈んでいくのを引き止めるために重たい腕を上げた。

シーツの感覚を手放す。



そして、震える唇を薄く開ける。

わざとそらしていた視線。それも意味がなく、私には彼がどんな表情をしているのかわかってしまう。



いつもより気持ち程度。とはいえ確かな距離を取りつつも透吾が隣に腰を落として。

ぎしり、とかすかに体が揺れて、ベッドの音を耳にした。



そっと盗み見るように伺えば、ほら。



やっぱり。
困っているくせにそれを隠そうとした、笑顔。



私に付き合って、いつも通りを今日も演じてくれる透吾がそこにはいて。どうかした? と首を傾げるの。



でも。でもね、……



「もう、いいのよ」

「え?」



もう無理しなくていいの。

終わらせたくなくても、それは私ひとりの感情。あなたのことを思えば私にはこの選択肢しかないことはわかりきっていたこと。



だから、



「終わりにしましょう?」



そう、私は掠れた声で囁いた。






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