ジキルとハイドな彼
「下心がない男なんているわけない」
小鳥遊言った、言いきった。
「葛城さんは薫の事を心配して親切で匿ってくれたんじゃないの?」
友里恵は箸を唇にあてながら首を傾げる。
「まぁ、それはそうなんすけど、あわよくば、って気持ちはあったでしょ。少なからず」
小鳥遊はビシッと箸の先で私を指した。
その時、聴取室の扉が開き、下心のあるイケメン刑事が姿を現した。上司の尾花も一緒だ。
私達三人はピタリと会話を辞めて、一斉にコウの顔に視線を向ける。
「私の顔に何か着いていますか?」顔を凝視されてコウは居心地が悪そうだ。
「沖本さん、本条さん、本日はご足労いただきありがとうございます」
全く空気を読む事なく尾花は二コリと微笑んだ。
「まったく、お前もこんなところで油を売って」
コウは私達と一緒にカツ丼を食べる小鳥遊を睨みつける。
「もしかして葛城さんも食べたかったですか?島田屋のカツ丼」
小鳥遊がハッとした表情を浮かべると「…そーゆー問題じゃない」
コウは呆れて目を細めた。
あの日の一件以来コウは連日帰りが遅く、まともに顔を合わせるのは今日が始めてだ。
私の膝で寛いでいた可愛い彼は幻だったんじゃないかと思うほど、今や澄ました顔をしている。
「お楽しみ」の続きは当分先になるに違いない。いや、寧ろこの先ないかもしれない。
小鳥遊言った、言いきった。
「葛城さんは薫の事を心配して親切で匿ってくれたんじゃないの?」
友里恵は箸を唇にあてながら首を傾げる。
「まぁ、それはそうなんすけど、あわよくば、って気持ちはあったでしょ。少なからず」
小鳥遊はビシッと箸の先で私を指した。
その時、聴取室の扉が開き、下心のあるイケメン刑事が姿を現した。上司の尾花も一緒だ。
私達三人はピタリと会話を辞めて、一斉にコウの顔に視線を向ける。
「私の顔に何か着いていますか?」顔を凝視されてコウは居心地が悪そうだ。
「沖本さん、本条さん、本日はご足労いただきありがとうございます」
全く空気を読む事なく尾花は二コリと微笑んだ。
「まったく、お前もこんなところで油を売って」
コウは私達と一緒にカツ丼を食べる小鳥遊を睨みつける。
「もしかして葛城さんも食べたかったですか?島田屋のカツ丼」
小鳥遊がハッとした表情を浮かべると「…そーゆー問題じゃない」
コウは呆れて目を細めた。
あの日の一件以来コウは連日帰りが遅く、まともに顔を合わせるのは今日が始めてだ。
私の膝で寛いでいた可愛い彼は幻だったんじゃないかと思うほど、今や澄ました顔をしている。
「お楽しみ」の続きは当分先になるに違いない。いや、寧ろこの先ないかもしれない。