ジキルとハイドな彼
「そんなことするキャラじゃないんだけどね」
どうしてか自分でもよくわからない、と呟き、長い指で私の胸まで伸びた髪をさらりとすいた。
美形に触れられると、否が応にもドキドキしてしまう。
「気まぐれでもあの時は救われたわ。それにお茶にまで誘ってくれてありがとう」
いいえ、といってコウは花のような微笑みを浮かべた。
コウが入れ直してくれた暖かい紅茶を飲んで一息つく。
今日はとんだ一日だったわ。
向かいに座る出会ったばかりの奇妙だが、美しい友人に視線を向ける。
目があったので、コウの真似をして柔らかく微笑むが、その数倍魅力的な笑顔を返されてしまった。
「現実は小説よりも奇なり」
出会った日に聡が言っていた諺が頭を過ぎる。
確かにそうかも。
ニヤリと思わず笑みがこぼれ、それを隠すようにまた紅茶を一口飲んだ。
しかし、後日コウのタロットは抜群の的中率だと思い知ることになる。
どうしてか自分でもよくわからない、と呟き、長い指で私の胸まで伸びた髪をさらりとすいた。
美形に触れられると、否が応にもドキドキしてしまう。
「気まぐれでもあの時は救われたわ。それにお茶にまで誘ってくれてありがとう」
いいえ、といってコウは花のような微笑みを浮かべた。
コウが入れ直してくれた暖かい紅茶を飲んで一息つく。
今日はとんだ一日だったわ。
向かいに座る出会ったばかりの奇妙だが、美しい友人に視線を向ける。
目があったので、コウの真似をして柔らかく微笑むが、その数倍魅力的な笑顔を返されてしまった。
「現実は小説よりも奇なり」
出会った日に聡が言っていた諺が頭を過ぎる。
確かにそうかも。
ニヤリと思わず笑みがこぼれ、それを隠すようにまた紅茶を一口飲んだ。
しかし、後日コウのタロットは抜群の的中率だと思い知ることになる。