ジキルとハイドな彼
咄嗟にコウが腰に腕を回して支えてくれた。
一見して細身だが、筋力の付いた堅い腕の感触が服越しに伝わってくる。
「もう少し安静にしてなさい。帰ってもどうせ一人だろ」
身体が密着したまま耳元で言われると不覚にも私の顔は紅潮する。
「でも迷惑だから」
「それ今更言う?」
コウは口の片端をあげてクスリと笑うと、そのまま手を添えてベッドに座らせてくれた。
私の左手首に着けたお守り的なブレスレットをスラリとした長い指で触れる。
「でもまぁ、ブレスレットは着けてたみたいだから、まだよかったけど…」
そのまま私の手を上からそっと包むように握りしめる。
その感触はやっぱりヒンヤリしていた。
「薫が無事でよかった」
「え?なに?」
小さな声で何を言っているか解らなかったので聞き返したけれど「なんでもない」と素気無く返されてしまった。
「あ、あの!そしたらお水をもらいたいのだけど」
実は目が覚めた時から喉がカラカラに乾いていた。
水ならそこに、と言ってコウが指差す方に振りむくと、サイドテーブルにミネラルウォーターとスポーツドリンクのペットボトルが其々置いてあった。
さすが用意周到。
一見して細身だが、筋力の付いた堅い腕の感触が服越しに伝わってくる。
「もう少し安静にしてなさい。帰ってもどうせ一人だろ」
身体が密着したまま耳元で言われると不覚にも私の顔は紅潮する。
「でも迷惑だから」
「それ今更言う?」
コウは口の片端をあげてクスリと笑うと、そのまま手を添えてベッドに座らせてくれた。
私の左手首に着けたお守り的なブレスレットをスラリとした長い指で触れる。
「でもまぁ、ブレスレットは着けてたみたいだから、まだよかったけど…」
そのまま私の手を上からそっと包むように握りしめる。
その感触はやっぱりヒンヤリしていた。
「薫が無事でよかった」
「え?なに?」
小さな声で何を言っているか解らなかったので聞き返したけれど「なんでもない」と素気無く返されてしまった。
「あ、あの!そしたらお水をもらいたいのだけど」
実は目が覚めた時から喉がカラカラに乾いていた。
水ならそこに、と言ってコウが指差す方に振りむくと、サイドテーブルにミネラルウォーターとスポーツドリンクのペットボトルが其々置いてあった。
さすが用意周到。