さよならだね。




そりゃ、、

本当に好きな人となら、愁くんとなら、

そう思うけど、あたしには未知の世界すぎて不安だらけで。




「女の子はね、みんなそうやって大人になんのよ。ゆらもいい加減、心決めときなさい。」


「うぅ、、うん。」


「立花さんにあんまり我慢させるのもかわいそうなんだからね!」


「、、うん。」







その日の夜。


自分の部屋で、明日着ていく服を考えているときだった。



愁くんから電話がきて、いまから会える?って。

待ってる、と言って電話を切ると、しばらくして愁くんの車が家の前に来たのが見えて、あたしは急いで外に出た。





「急にどうしたの?」


助手席に乗り込み、あたしがそう聞くと、愁くんは答えもせずに抱きしめた。



「愁くん?」

あたしも愁くんの大きな背中に手を回す。


スーツだけど、もう前みたいにジャケットはなくてシャツ1枚だから、前よりも愁くんの温かさがよく伝わってくる気がする。




「なんか、会いたくなって。」


愁くんがあたしの耳元でつぶやく。




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