さよならだね。




「ふふっ。明日会えるのに?」


「待てなかった。」



たった一言だけど、愁くんの言葉で、あたしは顔が真っ赤になってしまう。




抱きしめる腕を少しゆるめて、あたしの顔をのぞき込む愁くん。


目が合うと、いつものように優しい顔で微笑んでくれる。




「明日、どこ行くか決めた?」


「うん。あたし、プラネタリウム見に行きたいな。」


「プラネタリウム?」


「愁くんはあんまり好きじゃない?」


あたしはちょっと不安になって、愁くんの顔色をうかがう。




「いや。1回しか行ったことないけど、結構好きだよ、プラネタリウム。」


「ほんと?良かった〜!あたしプラネタリウム大好きなの!」


あたしがそう言って笑うと、愁くんはあたしの頭を撫でて、


「やっぱりゆらだな。」


って言う。




「え?なにが?」


あたしがどういう意味?って聞くと、愁くんが答えてくれる。




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