さよならだね。




「女の子はデートって言ったら、遊園地とか買い物とかに行きたがるかなって。俺、人混みがあんまり好きじゃないから、そういうの苦手だったんだ。」


「そうなんだ。」


「うん。だからゆらがプラネタリウムとか、静かでのんびりしてるとこ行きたいって言ってくれて、さすがだなって思って。」



愁くんが嬉しそうな顔をしてくれるから、あたしまで嬉しくなった。





「よかった。せっかくのお休みだから、愁くんにも無理しないで楽しんでほしいから。」


あたしがそう言うと、


「さんきゅ。」


そう言って愁くんはまた頭をなでてくれる。



愁くんの手は大きくて温かくて、頭をなでられるだけで幸せな気分になる。






「じゃあ、俺も一つリクエストしていい?」


「うん?」


「夜は外食じゃなくて、家でゆっくりゆらの手料理が食べたい。」


「あたしの?」


「うん。だめ?」



そう聞いてくる愁くんがかわいくて、いいよって答えた。

やった!って喜ぶ愁くんがさらにかわいくてしょうがなかった。




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