さよならだね。




お互い笑っていると、ふいに視線がぶつかる。



あたしたちは、どちらからともなく、引きよせられるようにキスをする。





「んっ、、」


いつもよりどんどん深くなるキスに、あたしはついていくのがやっとだった。



愁くんは片手であたしの頭を押さえ、もう片方の手を背中に回していた。


愁くんのキスに酔わされる中、ふと、背中に回されている手が胸の方に動いてきているのがわかった。




えっ、、ちょっ、、


あたしが慌てて身をよじろうとしたとき、

愁くんはいきなり唇を離し、パッとあたしから離れた。



なっ、なに、、?

あたしは戸惑いと驚きで、ただ愁くんを見つめることしかできない。


愁くんは前を向き、ハンドルに手をかけ、その上におでこを乗せる。




< 103 / 444 >

この作品をシェア

pagetop