さよならだね。




あっという間にこの時間。


もうすぐ約束の3時。


じっとしていられないあたしは、玄関に立って愁くんがくるのを待つことにする。



外は小雨が降っている。


土砂降りにならなくてよかったな〜。

そんな風に考えていると、愁くんの車がさっとあらわれた。



あたしは小走りで助手席に乗り込む。





「雨降ってんのに、なんで外で待ってんの?」


「なんかじっとしてられなくて!」


あたしがふふふっと笑うと、愁くんがしょうがないなって感じで笑って頭をなでてくれる。


この雰囲気が大好きだった。




「じゃあ行こっか?」


「うん!」


プラネタリウムのある天文館に向かって、愁くんが車を走らせる。




愁くんは片手で運転しながら、空いた片手で手を繋いでくれた。


ほんとに大きくて温かい手。

男の人だなぁ、って感じる。


愁くんは、信号で車が止まるたびに、あたしの頭をなでたり、あたしのほっぺたをつまんだり、、



あたしは愁くんに触れられるたびに、胸がドキドキしてしまう。


何回同じことされても、慣れることなんてなくて、毎回毎回あたしの胸は高鳴るのだった。




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