さよならだね。




「はい、到着。」


鮮やかなハンドルさばきで駐車し、愁くんはエンジンを切る。



車から降りて、あたしたちはチケットを買いに受付に向かう。


繋がれたままの手が、恥ずかしいような気もするけど、やっぱり嬉しかった。






「プラネタリウム大人2枚ですね。開始まであと10分もないので、すぐに向かわれてください。」


受付のお姉さんにそう言われ、あたしたちはそのままプラネタリウムのホールに向かう。





あたしたちは、チケットに書かれている席に腰かける。



「よかった〜!タイミングもばっちりだったね!」


「まあ、これに合わせて来たし。」


「えっ?」


「あんま長く待つのも嫌だし、遅れたらやばいし、昨日時間調べといたから。」



涼しい顔してそう言う愁くん。




「そうだったんだ。あたしすっかり開演時間のこととか忘れてた。ありがとう!」


「ん。」





普通こういうのは女の子がしっかり調べておくものだよね?


下調べして、時間とか流れとか考えて、、



自分のいたらなさに反省する反面、愁くんが気づかないところでデートのこときちんと考えてくれてたことが嬉しくもあった。




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