さよならだね。




周りを見渡すと、何組かのお客さんがちらほらと座っているくらいで、全然多くはなかった。




「あっ、、」



ホールが暗くなり、アナウンスが流れ始める。




そしてたくさんの星がパッと輝く。




「わぁ〜、、きれ〜い、、」


久しぶりに見るプラネタリウムはとってもきれいで、ワクワクして楽しくて、あたしはすっかり夢中になってしまっていた。


本当に申し訳ないけど、隣に愁くんがいることさえ忘れてしまいそうなほど、あたしは夜空の世界に吸い込まれていった。






「ん〜!すっごいきれいだった〜!」


ホールから出ながら、あたしはまだ興奮が冷めない。



そんなあたしを見ながら、愁くんは笑う。



「すげー幸せそうな顔。」


「うん!いますっごい幸せ〜!」


「それはよかった。」



愁くんは、スッと助手席のドアを開けてくれる。



「ありがと。」


あたしが乗り込むとドアを閉めて、さっと運転席側に回って乗り込む。


このスマートな気遣いに、あたしはまたきゅんとする。




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