さよならだね。




「ん。といだよ。」


「ありがと。じゃあ炊飯器に入れてスイッチ押して?」


「わかった。」



ふふふ。

愁くんがあたしの指示受けて素直に動いて、ほんとに子どもと料理してるみたいで、なんかちょっと笑えちゃう。




あたしはハンバーグの準備にとりかかる。


まずは玉ねぎを炒めて、、



「きゃっ!愁くん!」


あたしがフライパンに火をかけ、玉ねぎを炒めだしたとき、急に愁くんに後ろから抱きしめられる。

あたしの右肩に顎を乗せる愁くん。




「ゆらはいつも料理してんの?」


そのままの体制で話すから、耳に愁くんの息がかかっちゃってくすぐったい。



「いつもじゃないけど、たまにはするよ。」


「ふーん、そっか。」


くすぐったいし恥ずかしいしで、あたしは料理に集中できない。




「愁くん!ちょっ、ちょっと離れて?」


「なんで?」


「なんでって、うっ、動きづらいし、料理してるから危ないよ。」


「やだ。」



あたしの要請は即答で却下される。



離れるどころか、愁くんはあたしの腰に回す腕にさらに力を入れる。




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