さよならだね。
あたしが少し横に動いたりすると、愁くんもぴったりくっついたまま動く。
2人でカニさん歩きしてるみたい。
「しゅ、愁くん?やっぱり動きづらいよ。」
「やだ。離れたくない。」
ううう〜〜
そんなだだっ子みたいなワガママも、かわいく思えてしょうがない。
しばらくそのままで料理してたけど、あたしがいざハンバーグをこね始めると、
「俺もやってみたい。」
そう言って愁くんはあたしから離れる。
た、助かった〜〜。
愁くんは、あたしがやってるのを見よう見まねでこねる。
「こんなもん?」
「うん!上手!」
あたしがほめると、俺料理の才能あるかも、なんて言いながら喜ぶ。
ほんとどうしたんだろう?
こんなにかわいい愁くん初めて。
それだけリラックスしてくれてるってことなのかな?
優華や美奈が、こんな愁くんの姿見たらびっくりするだろうな〜。