さよならだね。
「いや?」
愁くんが不安そうな声で聞く。
「い、いやってわけじゃ、、」
“ずっと立花さんに我慢させるのもかわいそうだよ。”
“立花さんだって健全な男なんだから。”
“心を決めなさい。”
あたしは、優華に言われたことを思い出す。
あたしだって嫌なわけじゃない。
愁くんとなら。
でも、やっぱりちょっと怖い。
あたしがあと一歩のところで決めきれずにいると、
「今日はずっと一緒にいたい。離れたくない。」
そう言ってぎゅっと抱きしめる腕に力を込め、愁くんがあたしの肩に顔をうずめる。
愁くんがここまで言ってくれてる。
もうこれ以上、あたしが断る理由なんてなかった。
「、、わかった。泊まってく。」
「ほんとに?」
愁くんは少しびっくり顔で、後ろからあたしの顔をのぞき込む。
「うん。ほんとだよ。」
あたしがそう言うと、愁くんの顔がパッと明るくなる。