さよならだね。




「嬉しい。」


愁くんはそう言ってにっこり微笑むと、ちゅっ、とあたしに短いキスを落とした。

そして、これ直すね、とあたしが拭き終わった食器を棚に直してくれた。




「ありがと。」


「ん。」


あたしがお礼を言うと、愁くんは短く返事して、あたしの手を引いてリビングのソファーに腰かける。


あたしも引っぱられるまま、愁くんの隣に座った。



う〜ん、、

やっぱり、近いな。


愁くんは隣に座るのにもぴったりとくっついてくる。


あたしはそのせいでソワソワしちゃって、ぜんぜん心が落ち着かない。




「どれが見たい?」


愁くんはそう言いながら、コロコロとテレビのチャンネルを変える。




、、なんで愁くんはいつもこんなに平気なんだろう。


恥ずかしいようなセリフもさらっと言えちゃうし、

急に抱きしめたり、キスしたりしてきても、いっつも冷静だし、


こんなにいちいちドキドキしてるの、あたしだけなのかな〜?って思う。


まあ、あたしより恋愛経験も豊富だし、それだけ慣れてるってことなのかな〜。




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