さよならだね。

愁くんは力を緩めて少し体を離し、近くであたしの顔を見る。



そして、あたしの頬にそっと手を当て、いつもよりとびっきり優しいキスをしてくれた。




キスはどんどん深くなり、あたしはそのままソファーに押し倒される。



「んっ、、しゅ、うくん、、」


私の声はほとんどが吐息にまじり、消えていく。




ああ、、

いよいよなんだな、、。


あたし、愁くんとこのまま、、。



とろけちゃいそうな意識の中、あたしがそう思った瞬間。




愁くんが、突然パッとあたしから離れ、体を起こした。




「、、愁くん？」


あたしもそっと起き上がる。





「ごめん。俺、、ゆらのこと大事にしたいのに。」


いまにも消え入りそうな声で話す愁くん。


あたしは胸の奥がきゅっと締めつけられた気がした。




「ゆらのこと大事にしたいって思ってんのに、ゆらのことが好きで、好きだから止まんなくて、俺、、」


「愁くん、、」


優華の言うとおりだった。


本当に愁くんはあたしのことを大切に思ってくれてて、きっとあたしのペースに合わせようと、ずっと我慢してくれてたんだよね？