さよならだね。




あたしは夢を見た。



真っ白なかすみ草が辺り一面に咲いている、かすみ草のお花畑。


そこに1組の家族が立っている。


後ろ姿しか見えないけど、男の人と女の人、その間に小さな子どもがいて、3人並んで手をつないでいる。


楽しそうな、幸せそうな笑い声が聞こえてくる。


その姿をあたしが1人で眺めていて、あたしまで幸せな気持ちになる。






「ゆら、、」


あたしを呼ぶ大好きな人の声で、あたしはそっと目を開ける。



「起きた?」


「うん。あたし、、」


そっか。

あのあと、愁くんに腕まくらされて、髪をなでられてるうちに寝ちゃったんだ。




「あたしが寝てからどれくらいたったの?」


「30分ないくらいかな。」


「そっか。ごめんね、腕疲れたでしょ?」


「全然。」



愁くんは、またあたしの髪をそっとなでてくれる。


それがすごく心地いい。




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