さよならだね。




自己紹介も終わり、酒も進み、近くの席のやつ同士適当に話しながら時間が過ぎていった。



でも俺は、それどころじゃなかった。


話しかけられても耳にあんま入ってこないし、気づけばゆらを目で追っていた。



隣の友達に助けてもらいながら、必死に会話している姿を見て、助けてやりたい、安心させてやりたい、そんな気持ちさえ芽生えて。

そんな自分に心底驚いた。





ドキンっ、、


、、まただ。


一瞬気が緩んだのか、それまでの愛想笑いとは違う、ふわっと自然に笑ってる笑顔を見たら、俺の胸がまたはずんだ。




なんなんだよ。

まじか?これ。


俺、一目惚れしちゃったのかよ?




俺が自分の心に問いかけている間、気づいたらゆらと隣の友達がいなくなっていた。


トイレか?




俺は気づいたら体が勝手に動いていて、トイレの前に立ち、出てくるであろうゆらたちを待った。



しばらくすると、ゆらが友達と何か話しながらトイレから出てきた。


2人とも、俺の姿を見つけると、どうしてこんなとこに?って感じの顔して驚いてた。




「ゆらちゃん、だったよね?」


そんな白々しいことを聞きながら話しかけた。




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