さよならだね。




俺が少し話せるかって誘ったら、ゆらはすごく戸惑った反応を見せる。


そんなのがいちいち可愛く思えてしょうがない。


困って決めきれないゆらの代わりに、ゆらの友達がどうぞどうぞ〜なんて言ってゆらの背中を押して、自分はそそくさと戻って行った。




それからゆらと2人っきりでゆっくり話した。


ゆらはやっぱり、合コンが初めてで、こういう場が苦手だと言った。

緊張のあまり自己紹介のときの記憶があまりなく、俺の名前すらわからないと。


そんなゆらが本当に可愛くて、なんだか愛しくて、、


俺はその日、生まれて初めて、誰かを好きになるってことを知ったのかもしれない。





それからゆらの友達が呼びに来るまで、俺たちはお互いのいろんな話をした。


俺は、ゆらがリラックスできるように、少しでも緊張がほぐれるようにと気をつけた。


ゆらはちょっと俺に慣れてくれたのか、ふわっとした無邪気な笑顔を何度も見せてくれた。




やべーな、これ。


まじで重症だわ、、俺。



ゆらのちょっとした反応や仕草、俺の名前を呼ぶ声、すべてが愛しく感じて、なんだか胸の奥がくすぐったい。


いまさらこんな気持ち知るなんてな。




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