さよならだね。
ゆらの家の前につくと、雨が降ってるっていうのにゆらは玄関に立って待っていた。
急いでゆらを車に乗せ、ゆらが行きたいと言ったプラネタリウムを見に、天文館へと出発する。
ゆらのこういうところも好きだ。
女は買い物だの遊園地だの、せっかくの休みなのに人の多い騒がしいとこに行きたがる。
でもゆらは違った。
俺にもゆっくりして楽しんでほしいからと言った。
そんなゆらの優しさに、やっぱりさすがゆらだな、俺の目に狂いはなかったなと、どこか嬉しくなった。
プラネタリウムを見てる間、俺は何度か隣で釘づけになってるゆらの横顔をちらっと見る。
ゆらはプラネタリウムが好きだと言っていた。
本当に嬉しそうに、無邪気に笑いながら映し出される星空を見上げていた。
俺も星空は好きだ。
疲れがたまったときや、考えごとをするとき、よくベランダから星空を眺める。
好きなものがゆらと同じだというだけで、俺たちは運命なのかと、柄にもなくそんなことさえ考えてしまう。
プラネタリウムを見終わって、俺たちはスーパーに食材を買いに行く。
この後は、ゆらが夕飯を作ってくれることになっていた。