さよならだね。



俺のリクエストで、今日のメニューはハンバーグ。


なんか理想じゃん?

彼女にハンバーグ作ってもらうって。




ゆらはテキパキと食材を選んで、俺の持つカゴに入れていく。


「お米はあるよね?」


ゆらにそう聞かれ、自炊なんてしないから米もないと答えると、ゆらは体に悪い、これからあたしといるときは外食なし!なんて言う。


母親かよって笑ってしまったけど、俺の体を気遣ってくれたことも、これからもゆらの料理が食えるんだってことも、本当は嬉しかったんだ。





「入って。」


俺がそう言って部屋のドアを開けると、ゆらは少し緊張した様子で俺の部屋に入ってきた。

いちいち可愛いんだよ、ゆらは。



ゆっくりしててと言うゆらの気遣いを断り、俺は具材を切るゆらの横で米をとぐ。

普段なら絶対こんなことしないけど、少しでもゆらと一緒にいたかったから。


料理なんて面倒くさいけど、ゆらと並んでやるとこんなにも楽しいんだなって思った。




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