さよならだね。
「ゆら?どうかした?」
「え?どうもしてないよ。」
「でも、悲しい顔してる。」
「そんなことないよ!全然!」
あたしは無理に笑顔を作り、愁くんに嘘をついた。
こんなこと、愁くんに話したくない。
重いって思われたくないし、めんどくさい女だって思われたくない。
愁くんの歳なら、それなりに元カノがいるのも当然。
逆にいない方がおかしい。
しかも愁くんだよ?
普通の人より経験があってもおかしくない。
あたしはそう自分に言い聞かせる。
でもやっぱり、醜い嫉妬心はすぐには消えてくれなかった。
あたしはモヤモヤした気持ちをごまかすように、わざと元気なフリをして、愁くんにも自分にも嘘をつく。
「見てみて?夜景も綺麗だけど、今日は星もすごく綺麗だよ!」