さよならだね。
「さっきね、夜景を見ながら思ったの。こんなとこ男の人だけで来るはずなんてないし、きっと、女の子を連れてきてあげたんだろうなって。いままでに恋愛してて当然だってわかってるし、愁くんだったら普通の人よりもっと経験あるだろうなって思う。でも、やっぱりちょっと悲しくて。」
「ゆら。」
「あたし性格悪いでしょ?過去の女の子に嫉妬するなんて。ごめんね。」
「なんでゆらが謝るの?」
「だって、、」
愁くんは、うつむいて話すあたしを、ぎゅって抱きしめてくれた。
「俺のせいでゆらを悲しい気持ちにさせた。謝るのは俺の方だろ?」
「愁くんは悪くないよ。あたしが、、あたしが心狭いから。」
「そんなことない。」
耳のそばで、愁くんの声が優しく響く。
「俺は、ゆらが嫉妬してくれて嬉しいよ?こんくらいの嫉妬は、可愛いって言うんだよ。」
「ほんとに?」
「うん。ゆらはいつもそんなこと言わないから、俺ばっか嫉妬してるのかと思ってた。」
「愁くんも、嫉妬してたの?今日だけじゃなくて?」
そんなの、全然気づかなかった。
愁くんは、いつでも大人でクールだから。