さよならだね。



「ゆらの中学の元カレにだって嫉妬するし、大学で男友達と仲良くしてんのかなって考えたらむかつくし、今日みたいにどっかでナンパされてんのかなって考えてもむかつく。バーベキューのときだって、海斗とか渉と楽しそうに話してただけで嫉妬した。俺だって、嫉妬してばっかなんだよ。」



初めて聞く話に、あたしはちょっぴり驚いたけど、愁くんも嫉妬してくれてたんだって知って嬉しかった。


それだけ、あたしのことを好きでいてくれてるんだなって、伝わったから。



普段も愁くんは、“好きだよ”とか、“かわいい”とか、ストレートに表現してくれるけど、それでも不安になることはあって、、

でもこの話を聞いて、あたしは愁くんからの想いを再確認することができた。




「愁くん、大好きだよ。」


あたしは、普段なかなか恥ずかしくて言えないけど、せっかくの機会だから素直に伝える。


「ん。俺も。」


愁くんは、抱きしめる腕を離し、あたしの顔を見る。



「ゆら。もう少し、話したいことがあるんだ。」


「なに?」


愁くんは少し言いにくそうに話す。



「ゆらが言っただろ?俺の過去の女の子って。そのことで、話したいことがある。」


愁くんが過去の話をすることは、いままでに一度もなかった。


あたしは、中学生のときに一人だけ付き合ったことがあると、前に話してたんだけど。

愁くんは過去の話をしたくなさそうだったし、あたしもあえて聞くことはなかったから。



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