さよならだね。
Chapter.3

大学3年生




「ゆら。また聞いてなかったでしょ。さっきの講義。」


「だって、桜がきれいなんだもん。」


「まったく。ほんと毎日ひなたぼっこしに来てるんだから〜ゆらは。」



なんか去年も言われたな〜。
このセリフ。


そう思い返しながら、あたしは空を見上げる。


澄みきった青い空と、それをさえぎろうと咲き誇る桜の花が、あたしの視界に広がった。





あたしたちは大学3年生になった。


新学期が始まって1週間。



今日は天気がいいから、優華と2人で外のベンチでお昼を食べていた。


桜の木の下にあるベンチ。

ちょっとしたお花見気分を味わう。




「で?で?で?聞かせてくれないの?」


「何を?」


「原口さんとのことだよ〜!会ったら話すねって言ったっきりだったじゃん!」


「ああ、そうだっけ?」



そう、春休みの終わりにビックニュースが飛び込んできたの。



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