さよならだね。
「言っとくけど、ゆらが頼りないとか、ゆらには話したくないとか、そんなんでいままで黙ってたわけじゃないからね?」
「えっ!そうなの?」
優華はまるで、あたしの心を見透かしていたように、突然そんなことを言い出した。
「当たり前でしょ!あたし苦手なの、誰かに自分のことを話すって。それに、ゆらは立花さんと幸せそうだったから、その邪魔したくなかったし。ゆらを困らせたくなかったから。」
「そんな〜、邪魔なわけないのに。」
「そうね。でもきっとそれより、あたしの中で、もっとずっと前から海斗が特別だったのかもね。だから海斗には何でも話せたのかも。」
柔らかな風が、あたしたちの髪をなびかせる。
長いさらさらの髪をそっと耳にかける優華が、いままでより綺麗になったように感じた。
きっと、優華がそれだけ幸せな証拠だよね。
「でも、立花さんから何も聞いてなかったんだね?ゆら。」
「へっ?何を?」
「いやだって、海斗が立花さんによく相談してたって言ってたから。あたしのこと。」
「そうなの?」
うそ〜!
そんな話一回も聞いてなかったよ?
愁くんのバカ!
話してくれたっていいのに!
隠し事はなしって約束してるのに!もう!