さよならだね。
「まあ、それだけ立花さんは、口の堅い信用できる人ってことじゃん!」
すねたあたしを、優華がなぐさめる。
でも、もうあたしの機嫌は直らない。
今日愁くんを問いつめてやるんだから!
その日の夜。
あたしは愁くんの部屋で晩ご飯を作っていた。
去年、あたしは愁くんから合鍵をもらった。
だから今日もその鍵を使って、愁くんはまだ帰ってきてないけど、あたしは先に愁くんちにいる。
もう少しで作り終わる、そのとき、、
ガチャっと玄関が開いて、愁くんが帰ってきたとわかる。
「ゆら〜?ただいま。」
いつもならここで、おかえり〜って玄関まで行くけど、今日のあたしはすねている。
愁くんの声がしても、知らんぷりして、料理を続ける。
「ゆら〜?」
あたしが出てこないことを不思議に思ったのか、愁くんは心配そうな声であたしを呼びながら、リビングのドアを開けた。