さよならだね。



「ゆら。なんで返事しないの?なんかあったかと思うだろ。」


愁くんがあたしに歩みよる。


「なんかって?」


「中で倒れてるのかとか、いろいろ。無事ならいい。」


そう言って愁くんは、あたしを後ろからぎゅっと抱きしめる。



あたしは、不覚にもすねていることを忘れて、ちょっときゅんってしちゃったり、、


だめだめ!
あたしはすねてるんだから!

そう自分に言い聞かせる。




「今日の飯なに?」


「クリームパスタと、ミネストローネ。」


あたしは少しぶっきらぼうに答える。

すると、愁くんはあたしの異変にすぐ気づく。




「ゆら。やっぱなんか変。怒ってる?」


愁くんはコンロの火を止め、あたしが使っていた木ベラを取り上げ置くと、あたしをくるっと愁くんの方に向ける。



「ゆら?なんで怒ってんの?」


「自分で考えてみて。」


「え?」


愁くんは、わけがわかないと言った顔であたしを見る。



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