さよならだね。



「あたしに隠してたことあるでしょ?」


「なにそれ。なんのこと?」


そこまで言っても、全然わかんないって感じの愁くん。

あたしは待ちきれずに自分から言う。



「優華と原口さんのことだよ!」


「ああ、それか。」


愁くんはなるほどね、と納得した様子で、顔色一つ変えない。




「愁くんは知ってたんでしょ?全部。」


「まあ、大体は。」


「なんで話してくれなかったの?あたし、今日初めて優華から聞いたんだけど!」


愁くんの全然気にしてない感じが、ちょっとあたしをイライラさせる。




「聞いたの?じゃあもう問題ないじゃん。」


「大ありだよ!愁くんは前から知ってたのに、あたしに何も言ってくれなかった!」


「ゆら、落ち着けって。」



愁くんに言われて気づく。

気づかないうちに、あたしは結構声を荒げてしまっていたみたい。



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