さよならだね。
「とりあえず、座って話そう?」
愁くんの言葉にあたしがうなづくと、愁くんはソファーまであたしの手を引いて行く。
2人並んでソファーに座ると、愁くんがあたしの手を握り、愁くんの足の上に置く。
「確かに。前からずっと海斗に話聞いてたし、大体のことは知ってたけど、ゆらには話してなかった。ごめん。」
やっぱり隠してたんだ、そう思ったら少し悲しくて、あたしは愁くんの顔を見ない。
「でも、隠してるつもりはなかった。海斗から言われた相談をゆらに話さなかったのは、海斗のプライドっていうか、男だから弱いとこ知られたくないだろうなって思ったから。」
そっか、、そうだよね。
原口さんに断りもなく、相談の内容をあたしに話すなんて、原口さんに失礼だよね。
あたしは自分の浅はかさに、一気に申し訳ない気持ちが強くなってくる。
「それに、、ゆらだって、俺から又聞きするんじゃなくて、優華ちゃんから直接聞いた方がいいんじゃないかって思って。優華ちゃんだって、ゆらには自分で伝えたかっただろうし。」
ああ、ほんとにあたしはバカだ。
バカなのは愁くんじゃなくて、あたしの方だ。
愁くんは、あたしや原口さん、そして優華のことを考えて黙ってたんだ。
隠しごととか、そんな話じゃない。
愁くんの優しさだったんだよね?